武藤さん宅での新年会、やまはげに出合いました。
5時前から始まったきりたんぽ鍋を囲んでのにぎやか宴会のさなか、
6時半、突然3匹の鬼が目の前に出現、前触れのない突然に一同ビックリ。
すかさず武藤さんが慣れた手つきで鬼をなだめ、不法侵入の証拠写真をパチリ。
退場後、再度鬼の居ぬ間の宴会が続く中、ウォーウォーとの遠吠えと共に、ドタドタと新たな鬼が3匹乱入。
恐ろしい叫び声がやむと、あとはジーっと睨めつけられ卒倒しそう。
落ち着きを取戻し、鬼を観察すると、なかなか愛嬌のある顔をしています。
ようやく慣れ、仲良くなったところで鬼退場。名残惜しく玄関まで見送り、豊岩前郷のやまはげの幕が下りました。
豊岩地区に伝わる小正月の伝統行事、「やまはげ」をご紹介します。
「やまはげ」と同じ語源をもつ行事は、東北から北陸の各地にあります。
「あまめはぎ」「あまのはぎ」「なまはげ」「あまはげ」「なもみはぎ」「なごめはぎ」など。
語源は、怠け者の足にできる「あまめ」「なもみ」を剥ぎ取ることから「あまめはぎ」「なもみはぎ」。
それが転訛し、土地それぞれの言葉で呼ばれるようになったと推測されます。
「あまめ」や「なもみ」とは、いろりやこたつに長く暖まっているとできる火だこや座りだこ。
豊岩前郷の「やまはげ」のお面は、男鹿の「なまはげ」と違って着色なし。大きく重いためか、常に片手で支えています。
面には2本の角があり、この角に、藻で編んだ「モグ」とよばれる背中を覆うほど大きい髪形を引っ掛けています。
衣装は「夜ぶすま」と呼ばれる藍染めの夜具をしめ縄で巻き、裸足に藁ぐつ、真冬の冷え込みの雪道には厳しい。
2〜3匹が1組となり、2〜3組に分かれ、前郷地区の約70軒の家を軽トラの荷台に乗って廻ります。
*
いつまでも奇行事「豊岩のやまはげ」を伝承して欲しいものです。